
「ストレートネックですね」と言われて、まず枕を買い替えた。それでも変わらないので、次は首のストレッチを始めた。それでも戻らない。
このコースをたどってきた方が、当院にはよくいらっしゃいます。枕もストレッチも悪くはないのですが、扱う場所が首だけになっていることが多いのです。

そもそもストレートネックとは
首の骨(頸椎)は、本来ゆるやかに前へカーブしています。このカーブが、頭の重さを分散して受け止めるバネの役割を果たしています。
このカーブが失われて、まっすぐに近づいた状態がストレートネックです。バネがなくなるので、頭の重さが首の骨と筋にそのままかかることになります。
やってはいけないこと
1. 高い枕を使う
首のカーブがすでに失われているところに高い枕を足すと、寝ている間じゅう頭が前に押し出されます。8時間、その姿勢が固定されるわけです。
とはいえ、低ければいいというものでもありません。仰向けで寝たときに、目線がまっすぐ天井を向くか、ほんの少し足元寄りになる高さが目安です。顎が上がるのも下がるのも良くありません。
2. 首だけを強く引っ張る・鳴らす
自分で首をつかんで引っ張る、両手で頭を持って勢いよくひねって鳴らす。これは避けてください。
首の骨の間には神経と血管が通っています。勢いをつけた動きは、そこに予測できない力をかけます。鳴らした直後は楽に感じますが、それは関節が緩んだだけで、緩みやすい関節がさらに緩んでいるだけということが起こります。
3. 顎を上げて画面を見る
意外に見落とされがちです。デスクの椅子が低く、モニターを見上げる姿勢になっていると、首の後ろが縮んだまま固定されます。うつむきだけでなく、見上げも負担になります。
4. うつ伏せ寝
うつ伏せで寝ると、呼吸のために首を左右どちらかにひねり続けることになります。この状態が毎晩続くと、左右差が固定されます。
5. スマートフォンをうつむいて見る
いちばん時間の長い習慣がこれです。頭を前に倒す角度が大きくなるほど、首にかかる負荷は増していきます。持つ手の肘を反対の手で支えて、胸から顔の高さまで上げる。これを習慣にできるかどうかで差が出ます。
枕を変えても戻らない理由
ここが本題です。
首が前に出ているとき、その原因はたいてい背中にあります。背中(胸椎)が丸まると、そのままでは視線が下を向いてしまいます。前を見るために、首の付け根で頭を持ち上げて調整することになる。これがストレートネックの正体です。
つまり、頭が前に出ているのは背中の丸まりに対する帳尻合わせです。土台が丸まったまま首だけをまっすぐにしようとすると、前が見えなくなるので、体はすぐ元に戻します。
枕は寝ている間の条件を整えるものです。起きている間の16時間の条件が変わらなければ、8時間で足りません。
見直す順番
1. 背中(胸椎)の丸まり — ここが動くようにならないと、首は戻る場所がありません2. 肩の巻き込み — 胸の前が縮んでいると背中は伸びません3. 日中のモニター・スマートフォンの高さ — 一日で最も長い時間の条件4. 枕 — 最後です。順番を逆にしないでください
こんなときは整形外科へ
- 手や指にしびれがある、腕に力が入らない
- 箸が使いにくい、ボタンがとめにくい、字が書きにくい
- 足がもつれる、歩きにくい
これらは姿勢の問題として扱わず、受診してください。
当院での考え方
当院では、首を触る前に背中と肋骨を診ます。頭が前に出る条件を作っている場所を先に変えないと、首をいくら緩めても翌日には同じ位置に戻るからです。
首・肩・背中でお困りの方の経過はこちらのページ、通院の目安は通院のペースをご覧ください。
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荻窪あんさんぶる治療院より
枕を何個も買い替える前に、一度みせていただければと思います。
荻窪駅から徒歩4分、土日祝日も診療しています。ご予約・ご相談はこちらから、お電話は 050-5577-0244 へどうぞ。
この記事を書いた人
古田諭志(荻窪あんさんぶる治療院 院長/鍼灸師)
東洋鍼灸専門学校を卒業後、ネパールでの鍼灸ボランティアを経て、2011年1月に杉並区南荻窪で開業。これまでの施術数はのべ約30,000名(2019年12月時点)。中医学の専門誌『中医臨床』に症例検討を複数回寄稿しています。院長紹介はこちら





