腱鞘炎・ばね指はどのくらいで治る?手を使わずにいられない人へ

「どのくらいで治りますか」。腱鞘炎でご相談に来られた方から、必ず聞かれます。

正直にお答えすると、手を使う量によって大きく変わります。同じ状態でも、休ませられる方と、仕事や育児で使い続けざるを得ない方では、経過がまったく違います。

これは施術の腕の問題ではなく、条件の問題です。

腱鞘炎で手を休ませられない場合の対処法の図解。痛みが走る特定の動作だけを避ける、手首をまっすぐに保つ時間を増やす、装具は使う場面を決めて使う、産後は授乳クッションと抱き方を変える。
炎症が落ち着くまでの目安は数週間〜数か月。ばね指はより長め

なぜ期間に幅が出るのか

腱鞘炎は、腱と腱鞘がこすれて腫れている状態です。腫れるとトンネルが狭くなり、さらにこすれる。この悪循環をどこかで止めないと、時間だけが過ぎます。

止める方法は、突き詰めれば「こすれる回数を減らす」ことです。使わずにいられる方は、この条件を作れます。使い続ける方は作れません。

ですから、期間を決めているのは主に生活のほうです。

目安

炎症の勢いが落ち着くまでに、数週間から数か月。これが一般的な幅です。

ばね指のように引っかかりが強く出ている場合は、より長くかかる傾向があります。腱鞘が厚く硬くなってしまっている段階では、腫れが引くだけでは引っかかりが消えないためです。

数か月続いて改善しない、指が伸びない状態が固定している。この場合は整形外科での注射や、場合によっては手術という選択肢を検討する段階です。当院でも、その時期に来ていると判断したときは、そうお伝えします。

休ませられない人が優先すべきこと

「手を使うなと言われても無理です」。これが現実だと思います。産後の方、美容師の方、調理の仕事の方、パソコン作業の方。

完全に休ませられないなら、総量を減らすことに集中してください。

1. 痛みが走る「特定の動作」を見つけて、それだけを避ける

すべての動作が痛いわけではないはずです。親指を広げる動きなのか、握る動きなのか、ひねる動きなのか。一つ特定できれば、そこだけ代わりの方法に置き換えられます。

ペットボトルは蓋を開ける道具を使う。包丁は握りの太いものに変える。抱っこは親指を使わず手のひら全体と前腕で支える。

2. 手首をまっすぐに保つ時間を増やす

手首を反らせた状態や、大きく曲げた状態で作業を続けると、腱が腱鞘の中で強く曲がって通ることになります。まっすぐに近いほど抵抗は減ります。

パソコン作業ならリストレスト。キーボードの手前に手首を置く場所を作るだけで、一日の負荷はかなり変わります。

3. 装具は「使う場面を決めて」使う

一日中つけっぱなしにすると、外したときに支えがなくなります。負荷の高い作業のときだけ、と決めて使うほうが現実的です。

4. 産後の方へ

産後の腱鞘炎は、ホルモンの変化と、授乳・抱っこという避けられない負荷が重なって起こります。時期が過ぎれば軽くなる方が多いのですが、その「時期」まで何か月もあります。

授乳クッションを使って腕で支える時間を減らす、抱き方を親指に頼らない形に変える。この2つだけでも、経過が変わることがあります。

早く治すためにやってはいけないこと

  • 痛む場所を強く揉む、押す
  • 痛みが出る方向へのストレッチ(炎症期)
  • ズキズキする時期に温める
  • 「動かさないと固まる」と無理に動かす

詳しくは腱鞘炎になったらやってはいけないことにまとめています。

こんなときは整形外科へ

  • 指が曲がったまま伸びない、自力で伸ばせない
  • 明らかな腫れ、熱感、赤み
  • 複数の関節が痛み、朝のこわばりが1時間以上続く
  • しびれを伴う
  • 数か月続いて改善の方向に向かわない

当院での考え方

当院では、腫れている腱鞘そのものを刺激しません。前腕全体の張りをほどき、肘、肩甲骨までの動きを取り戻していきます。

指を動かす筋は前腕にあります。前腕が硬いままだと、腱が腱鞘を通るときの抵抗が増えます。同じ回数使っても、こすれる強さが変わるということです。

そして、肩甲骨が動かない方は、腕全体の動作を手先だけで済ませています。手首と指の使用量そのものが増えている。ここを変えると、日常の総負荷が下がります。

通院の目安は通院のペース、費用は費用・施術内容をご覧ください。

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荻窪あんさんぶる治療院より

「休めないから仕方ない」とあきらめる前に、減らせる負荷を一緒に探しましょう。

荻窪駅から徒歩4分、土日祝日も診療しています。ご予約・ご相談はこちらから、お電話は 050-5577-0244 へどうぞ。

この記事を書いた人

古田諭志(荻窪あんさんぶる治療院 院長/鍼灸師)

東洋鍼灸専門学校を卒業後、ネパールでの鍼灸ボランティアを経て、2011年1月に杉並区南荻窪で開業。これまでの施術数はのべ約30,000名(2019年12月時点)。中医学の専門誌『中医臨床』に症例検討を複数回寄稿しています。院長紹介はこちら

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