
朝、ベッドから降りて最初の一歩で、かかとに刺すような痛みが走る。歩いているうちに少し楽になるけれど、座って立ち上がるとまた痛い。
この訴えは足底腱膜炎の典型です。ただ、足の裏の痛みには似た症状がいくつかあり、対処が変わります。まず言葉から整理します。

足底腱膜炎と足底筋膜炎は同じものです
結論から言うと、同じ状態を指しています。
かかとの骨から足の指の付け根まで、足の裏を張っている膜状の組織があります。これを足底腱膜、あるいは足底筋膜と呼びます。組織の性質としては腱に近いため、近年は「腱膜」と呼ばれることが増えていますが、どちらの表記も使われます。
つまり、二つの病院で違う名前を言われても、別の病気になったわけではありません。
足底腱膜炎の特徴
- かかとの前寄り、足裏の内側が痛む
- 朝起きて最初の一歩が最も痛い
- 座っていて立ち上がった直後も痛む
- 歩き続けているうちに少し和らぐ
- 押すと一点だけ強く痛むところがある
なぜ朝が痛いかというと、寝ているあいだ足底腱膜は縮んだ状態で固まっています。そこに体重をかけると、一気に引き伸ばされるためです。
モートン病の特徴
まったく別の場所、別の性質の痛みです。
- 足の指の付け根、とくに3番目と4番目の指の間が痛む
- ジンジン、ビリビリするしびれを伴う
- 指先まで放散する
- 靴を脱ぐと楽になる、幅の狭い靴やヒールで悪化する
- 足の指の間の感覚が鈍い
こちらは神経の症状です。指の間を通る神経が、周囲の組織に圧迫されて起こると考えられています。
見分け方のまとめ
| 痛む場所 | 性質 | 悪化する場面 | |
|---|---|---|---|
| 足底腱膜炎 | かかと〜土踏まず | 刺すような痛み | 朝の一歩目、立ち上がり |
| モートン病 | 指の付け根 | しびれ・灼けるような痛み | 幅の狭い靴、ヒール |
痛む場所が「かかと寄り」か「指の付け根」か。これが最も分かりやすい目印です。
他にも考えられるもの
疲労骨折 — かかとや中足骨に起こります。運動量を急に増やした後、じっとしていても痛む場合は疑います。整形外科でレントゲンを撮ってください。
足根管症候群 — 内くるぶしの後ろで神経が圧迫され、足裏にしびれが出ます。
痛風 — 足の親指の付け根が突然、赤く腫れて激しく痛む。この場合は内科へ。
次の場合は整形外科を受診してください。
- じっとしていても痛む、夜間も痛む
- 足が腫れている、赤く熱を持っている
- しびれや力の入りにくさがある
- 発熱を伴う
- 数か月経っても改善しない
足底腱膜炎で気をつけたいこと
朝いきなり全体重をかけない — 起き上がる前に、座った状態で足首を動かし、足の指を反らせて足裏を伸ばしておく。この一手間で、最初の一歩の痛みがかなり変わります。
裸足でフローリングを歩かない — 家の中でもクッション性のあるスリッパを。硬い床を裸足で歩くのは、痛めている足底腱膜には厳しい条件です。
痛む一点をゴルフボールで強く転がさない — よく紹介される方法ですが、炎症が強い時期にやると悪化します。やるとしても、痛みが落ち着いてから、軽い圧で。
靴のかかとが減っていないか確認 — 減ったかかとは、着地のたびに足を不安定にします。
当院での考え方
足底腱膜炎の方を診ていると、ふくらはぎとアキレス腱が非常に硬い方が多いです。
足底腱膜はアキレス腱と、かかとの骨を挟んでつながる関係にあります。ふくらはぎが硬いと、足首が十分に曲がりません。すると歩くときに足の裏で無理に地面を蹴ることになり、足底腱膜が引っ張られます。
つまり、足裏の問題に見えて、ふくらはぎと足首の問題であることがよくあります。足の裏だけを揉んでも戻ってしまう理由がここにあります。
さらに上流を見ると、股関節が伸びない歩き方をしている方が多いです。膝の痛みでお困りの方は膝痛のページもご覧ください。
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荻窪あんさんぶる治療院より
朝の一歩目の痛みは、毎日のことなので想像以上に生活の質を下げます。長引く前にご相談ください。
荻窪駅から徒歩4分、土日祝日も診療しています。ご予約・ご相談はこちらから、お電話は 050-5577-0244 へどうぞ。
この記事を書いた人
古田諭志(荻窪あんさんぶる治療院 院長/鍼灸師)
東洋鍼灸専門学校を卒業後、ネパールでの鍼灸ボランティアを経て、2011年1月に杉並区南荻窪で開業。これまでの施術数はのべ約30,000名(2019年12月時点)。中医学の専門誌『中医臨床』に症例検討を複数回寄稿しています。院長紹介はこちら




