
少し歩くと足がしびれて、前かがみで休むとまた歩ける。この繰り返しを間欠性跛行といい、脊柱管狭窄症の代表的な症状です。
この症状でつらいのは、痛みそのものより「歩ける距離が少しずつ短くなっていくこと」だと思います。買い物に行けない、旅行をあきらめる。生活の範囲が狭くなっていきます。
ここでは、その距離を減らさないために避けたいことをお伝えします。

その前に:すぐ受診すべきサイン
次の症状は緊急性が高い状態です。様子を見ずに整形外科を受診してください。
- 尿が出にくい、失禁する、お尻まわりの感覚が鈍い
- 両足に急に強いしびれや脱力が出た
- 足首やつま先が上がらず、つまずくようになった
1. 腰を反らす姿勢を長く続けること
これが最も大事な点です。
脊柱管は、背骨の中を神経が通るトンネルです。腰を反らすとトンネルは狭くなり、腰を丸めると広がります。 前かがみで休むと楽になるのは、このためです。
つまり、腰を反らす姿勢は症状を強くします。避けたいのは次のような場面です。
- 洗濯物を干す、高い棚のものを取るなど、上を向いて腕を上げる作業を続ける
- うつ伏せで寝る、うつ伏せで本を読む
- 反り腰のまま長時間立ち続ける
- 腰を反らすタイプの体操を「腰にいいから」と続ける
とくに最後は要注意です。腰を反らす体操が合う腰痛もありますが、脊柱管狭窄症では逆になることが多いです。「腰にいい体操」と一括りにしないでください。
2. 平地を長く歩き続けること(工夫なしで)
歩くこと自体は続けていただきたいのですが、やり方があります。
「限界まで歩いてから休む」を繰り返すと、しびれが出るたびに神経に負担がかかります。そうではなく、しびれが出る手前で座って休む。これを繰り返すほうが、結果的に一日の総歩行距離は伸びます。
自分が何分・何メートルで症状が出るかを把握して、その少し手前で区切る。地味ですが、これが歩ける距離を守るいちばん確実な方法です。
3. 自転車をあきらめること
これは「やってはいけない」の逆で、使ってほしい道具です。
自転車は前傾姿勢になるため、脊柱管が広がった状態で移動できます。歩くと数分でしびれるのに、自転車なら何十分も平気という方は少なくありません。
坂道の多い場所でなければ、移動手段として活用してください。買い物カートを押して前傾になるのも同じ理屈です。
4. 「年だから仕方ない」とあきらめること
脊柱管狭窄症は加齢に伴う変化が背景にあることが多く、骨の形そのものを元に戻すことはできません。それは事実です。
ただ、症状の強さは骨の形だけで決まっているわけではありません。同じ画像所見でも、症状が強い方と軽い方がいます。
当院で見ていると、症状が強い方は例外なく股関節と胸椎が動いていません。歩くときに股関節が後ろに伸びないと、その分を腰を反らして補うことになります。つまり、一歩ごとにトンネルを狭める動きをしていることになる。
ここは変えられる部分です。骨の形は変わらなくても、歩き方の中で腰を反らす量は減らせます。
当院での考え方
当院では、狭くなった脊柱管そのものを広げるようなことは申し上げません。そうではなく、日常の動作の中で腰を反らさずに済む条件を増やしていきます。
股関節の伸びを取り戻す、胸椎の動きを出す、腹圧の使い方を整える。地味な積み重ねですが、歩ける距離が伸びたとおっしゃる方はいらっしゃいます。
腰の症状で来院された方の経過は腰痛治療の評判と口コミ、しびれについてはこちらのページをご覧ください。
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荻窪あんさんぶる治療院より
歩ける距離が短くなってきたと感じたら、早めにご相談ください。生活の範囲を守ることが目的です。
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この記事を書いた人
古田諭志(荻窪あんさんぶる治療院 院長/鍼灸師)
東洋鍼灸専門学校を卒業後、ネパールでの鍼灸ボランティアを経て、2011年1月に杉並区南荻窪で開業。これまでの施術数はのべ約30,000名(2019年12月時点)。中医学の専門誌『中医臨床』に症例検討を複数回寄稿しています。院長紹介はこちら





