椎間板ヘルニアでやってはいけないストレッチと筋トレ

椎間板ヘルニアと診断されて、「筋肉をつけたほうがいい」「ストレッチをしたほうがいい」と言われた。それで動画を探して始めてみたら、かえって痛みが強くなった。

こういうご相談を受けることがよくあります。運動が悪いわけではありません。選ぶ種目と、始める時期を間違えていることがほとんどです。

椎間板ヘルニアでやってはいけないストレッチと筋トレの図解。上体起こしの腹筋、立位体前屈や長座体前屈、腰をひねるストレッチ、重い負荷の筋トレ、しびれが強くなる動き全般。
しびれが足先へ広がる動きは今のあなたには合っていません

大前提:椎間板に圧がかかるのは「前かがみ+ひねり」

腰椎の椎間板は、背骨と背骨の間にあるクッションです。前かがみになると、椎間板の前側がつぶれて、中身が後ろに押し出される力が働きます。ここにひねりが加わると、後ろの繊維にせん断する力がかかります。

つまり、腰を丸めて前に曲げる動作と、ひねる動作の組み合わせが、椎間板にとって最も不利です。避けるべき種目は、この観点で選べば大きく外しません。

やってはいけない種目

1. 腹筋(上体起こし・クランチ)

「腹筋をつけて腰を守る」という発想でいちばん選ばれがちですが、上体起こしは腰を丸めて前に曲げる動作そのものです。急性期には避けてください。

体幹を鍛えたいなら、腰を丸めずに固定したまま行う種目にします。プランクや、四つ這いで対角の手足を伸ばす動きのほうが目的に合います。

2. 立位体前屈・長座体前屈

もも裏が硬いから伸ばそう、という発想はよく分かります。ただ、立ったまま、あるいは座ったまま前に倒れる動きは、腰を丸めて椎間板の圧を高めます。

もも裏を伸ばしたいなら、仰向けに寝て片脚だけを上げる方法にしてください。腰が丸まりません。ただし、その姿勢でしびれが足先まで走るなら伸ばしすぎです。すぐにやめてください。

3. ひねりを加えるストレッチ

仰向けで膝を反対側に倒すストレッチ、座って上体をひねるストレッチ。腰のひねりは、椎間板の後ろ側にとって最も負担の大きい方向です。急性期には避けます。

4. 重い物を持ち上げる筋トレ

デッドリフトやスクワットを重い負荷で行うのは、痛みが完全に落ち着き、フォームを見てもらえる環境が整ってからにしてください。

5. しびれが強くなる動きすべて

種目の名前より、この原則が一番大事です。動作中や直後に、足先へのしびれが強くなる・広がる場合は、その動きは今のあなたには合っていません。 痛みが腰から足の先へ移動していく変化は、悪化のサインとされています。

逆に、これは危険なので運動をやめて受診してください

  • 尿が出にくい・漏れる、お尻まわりの感覚が鈍い
  • 両足のしびれ、足首やつま先に力が入らない
  • 安静にしていても激しく痛み、夜眠れない

これらは緊急性の高い状態です。運動どころではありませんので、すぐに整形外科を受診してください。

いつから運動していいのか

目安は、足のしびれが足先から腰側へ戻ってきているかです。しびれの範囲が狭くなり、腰寄りに集まってくる方向なら、良い経過をたどっています。この段階から少しずつ動かしていきます。

逆に、しびれが腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、足先へと広がっていくなら、まだ動かす時期ではありません。

当院での考え方

椎間板に負担が集中している方は、多くの場合、股関節と胸椎が動いていません。前かがみになるとき、本来は股関節が折れ曲がってくれるはずが、そこが動かないぶん腰椎だけが丸まっている。だから同じ動作でも腰の椎間板にかかる量が違います。

腰を鍛える前に、腰以外を動くようにする。これが当院の順番です。

来院された方の経過は坐骨神経痛・椎間板ヘルニアの口コミにまとめています。

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荻窪あんさんぶる治療院より

自己流の運動で長引かせる前に、今の段階で何をしていいのかを一緒に整理しましょう。

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この記事を書いた人

古田諭志(荻窪あんさんぶる治療院 院長/鍼灸師)

東洋鍼灸専門学校を卒業後、ネパールでの鍼灸ボランティアを経て、2011年1月に杉並区南荻窪で開業。これまでの施術数はのべ約30,000名(2019年12月時点)。中医学の専門誌『中医臨床』に症例検討を複数回寄稿しています。院長紹介はこちら

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