テニス肘が「一生治らない」と言われたときに見直す3か所

肘の外側が痛い。物を持ち上げるとき、タオルを絞るとき、ドアノブを回すときに響く。テニスをしていなくても起こるので、多くの方が「なぜ自分が」と思われます。

そして厄介なのが、安静にしていると軽くなり、使い始めるとまた戻ってくることです。これを何度も繰り返すうちに、「一生治らないのかもしれない」と感じるようになります。

テニス肘が治らないときに見直す3か所の図解。手のひらを下に向けて持ち上げる動作を避ける、肩甲骨の動きを取り戻す、首の緊張を減らす。サポーターは負荷を減らす道具であること。
肘だけを治療しても戻るのは、負担を集める条件が残っているからです

なぜ長引くのか

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、手首を反らす筋の付け根に起きる問題です。この筋は、肘の外側の骨から始まって手首まで伸びています。

長引く理由は単純で、この筋を休ませることが日常生活ではほぼ不可能だからです。

物をつかむ、持ち上げる、マウスを操作する、フライパンを持つ、洗濯物を絞る。手を使うほぼすべての動作でこの筋が働きます。「安静に」と言われても、実際には安静にできません。だから治りきる前に、また負荷がかかる。この繰り返しになります。

「一生治らない」わけではありません

まず前提として、この症状は数か月から1年以上かかることがある一方、多くは時間とともに落ち着いていくとされています。年単位で見れば改善する方が大半です。

ただ、その期間が長すぎるのが問題です。そして、同じ条件のまま過ごしていると、その期間はさらに延びます。ですから、条件のほうを変えていきます。

見直す3か所

1. 手首と前腕の使い方

肘が痛いのに、原因の多くは手首の使い方にあります。

手のひらを下に向けたまま物を持ち上げる動作が、この筋にとって最も負担です。同じ物を持つのでも、手のひらを上に向けて持つと、まったく別の筋が担当します。

やかん、鍋、買い物袋、赤ちゃん。持ち方を変えられるものは変えてください。これだけで一日の総負荷がかなり減ります。

マウスも同じです。手首を反らせた状態で長時間置いていると、その筋は休めません。リストレストで手首をまっすぐに保つ、あるいは縦型のマウスに変えるという方法があります。

2. 肩甲骨

見落とされがちなのがここです。

肩甲骨が動かないと、腕を使うときに肘から先だけで動作を完結させることになります。本来なら肩甲骨と肩関節が一緒に動いて、肘への負担を分散するはずのところが、肘に集中します。

テニス肘の方の肩甲骨を触ると、背中に貼りついたように動かない方が本当に多いです。肘だけを治療しても戻ってしまう理由の多くが、ここにあると当院では考えています。

3. 首(頸椎)

肘の外側に走る神経は、首から出ています。首の状態が悪いと、その神経が支配している筋の状態も影響を受けることが知られています。

デスクワークで首が前に出た姿勢が続いている方は、ここも一緒に見る必要があります。実際、首の緊張を減らすと肘の痛みの出方が変わる方がいらっしゃいます。

こんなときは整形外科へ

  • 肘が完全に伸びない・曲がらない
  • 肘が腫れている、熱を持っている、赤い
  • しびれを伴う、指の力が入らない
  • 転倒や打撲の直後から痛い
  • 複数の関節が同時に痛み、朝のこわばりが1時間以上続く(リウマチなどの可能性)

とくに最後は、テニス肘とは別の病気を考えます。

サポーターの使い方

肘の下に巻くバンドは、筋の付け根にかかる張力を分散させる目的のものです。使う場面では有効です。

ただし、つけたまま今まで通り使い続けると、痛みが減ったぶん無理をしてしまうことがあります。負荷を減らすための道具であって、負荷を増やしていい許可証ではない、と考えてください。

当院での考え方

当院では、痛みが出ている肘の外側を強く押すことはしません。すでに炎症のある付け根をさらに刺激しても、悪化させるだけだからです。

前腕の筋の張りをほどきながら、肩甲骨と胸郭の動きを取り戻し、首の緊張を減らす。肘に集中している負担を、本来分散されるはずだった場所に戻していくという考え方です。

痛みの経過は通院のペースもあわせてご覧ください。

荻窪あんさんぶる治療院より

「もう治らない」とあきらめる前に、肘以外を見てみませんか。

荻窪駅から徒歩4分、土日祝日も診療しています。ご予約・ご相談はこちらから、お電話は 050-5577-0244 へどうぞ。

この記事を書いた人

古田諭志(荻窪あんさんぶる治療院 院長/鍼灸師)

東洋鍼灸専門学校を卒業後、ネパールでの鍼灸ボランティアを経て、2011年1月に杉並区南荻窪で開業。これまでの施術数はのべ約30,000名(2019年12月時点)。中医学の専門誌『中医臨床』に症例検討を複数回寄稿しています。院長紹介はこちら

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