こむら返りと「足がつる」の違い|寝ているときに起こるのはなぜ

夜中に突然ふくらはぎがつって、痛みで飛び起きる。しばらく動けず、翌日も張りが残る。

一度経験すると、また来るのではないかと不安になるものです。ここでは、まず言葉の整理から始めます。

こむら返りの対処法の図解。急に強く引っ張らない、そのまま放置しない、水分を摂らずに寝ない、膝を伸ばしたままつま先をゆっくり手前に引き寄せる、寝る前にふくらはぎを伸ばす。
急に伸ばすと肉離れを起こすことがあります

こむら返りと「足がつる」の関係

「こむら」とは、ふくらはぎのことです。 漢字では腓と書きます。つまり、こむら返りは「ふくらはぎがつること」を指す言葉です。

一方「足がつる」は、足の裏、足の指、太もも、すねなど、場所を限定しない言い方です。

ですから、こむら返りは「足がつる」の中の一種類、ふくらはぎ限定のもの、という関係になります。まったく別のものではありません。

なぜ夜中や明け方に多いのか

つるのは、筋が意図せず強く収縮したまま戻らなくなった状態です。夜間に多いのには、いくつか条件が重なっています。

1. 寝ている間の姿勢

仰向けで寝ると、布団の重みで足首が伸びた形になります。この姿勢では、ふくらはぎの筋は縮んだ状態です。縮んだまま長時間過ごした筋は、わずかな刺激で強く収縮しやすくなります。

寝返りを打った瞬間や、明け方に足を伸ばした瞬間につるのは、このためです。

2. 水分と電解質

寝ている間は水分を摂りません。汗もかきます。血液中のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムのバランスが崩れると、筋の収縮の制御がうまくいかなくなります。

夏場や、お酒を飲んだ日の夜に多いのはこの理由です。アルコールには利尿作用があります。

3. 血流の低下

夜間は活動が止まり、下肢の血流が落ちます。日中に立ち仕事や長時間の歩行で疲労が溜まっていると、なおさらです。

つったときの対処

慌てて動かすと、筋を痛めます。落ち着いて次のようにしてください。

ふくらはぎがつった場合は、膝を伸ばしたまま、つま先を自分のほうへゆっくり引き寄せます。 タオルを足裏にかけて手前に引くと、無理なくできます。

急に強く引っ張らないでください。収縮している筋を勢いよく伸ばすと、肉離れを起こすことがあります。ゆっくり、痛みが引くまで保ちます。

治まったあとは、そのまま放置せず軽くさすって血流を促してください。翌日に張りが残るのは、強い収縮で筋にダメージが残っているためです。

繰り返すときに疑うこと

たまに起こるだけなら心配しすぎることはありません。ただし、次のような場合は医療機関を受診してください。

  • 毎晩のように繰り返す
  • 両足だけでなく、手や体幹もつる
  • 足のしびれや、歩くとふくらはぎが痛んで休むと治まるが伴う(腰や動脈の問題の可能性)
  • むくみ、体重の変化、強い倦怠感を伴う(甲状腺・腎臓・肝臓など)
  • 糖尿病の指摘がある
  • 利尿薬などの薬を服用している

とくに「歩くとふくらはぎが痛くなり、休むと治まる」の繰り返しは、脊柱管狭窄症や下肢の動脈の問題を疑います。内科・整形外科へご相談ください。

妊娠中に増えるのはよくあることですが、頻度が高い場合は主治医にお伝えください。

予防としてできること

水分 — 就寝前にコップ一杯。夜中のトイレが気になる方も、まったく摂らないより少しは摂ってください。

寝る前のふくらはぎ伸ばし — 壁に手をついて、後ろ足の膝を伸ばしたまま体を前に倒す。左右30秒ずつで構いません。縮んだまま眠らないことが目的です。

足首の位置 — 布団が重いと足首が伸びた形で固定されます。掛け布団の足元を少し持ち上げるだけでも変わります。

冷やさない — 夏場のエアコンで足元が冷える方は、靴下やレッグウォーマーを。

当院での考え方

繰り返す方を診ていると、ふくらはぎだけでなく、その上流にあたるお尻と太ももの裏に強い緊張があることが多いです。歩くときに股関節が使えていないと、ふくらはぎが一歩ごとに余分に働きます。日中に働かされ続けた筋が、夜に限界を迎えるという構図です。

ふくらはぎだけをほぐしても戻ってしまうのは、働かせている条件が変わっていないからだと考えています。

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荻窪あんさんぶる治療院より

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この記事を書いた人

古田諭志(荻窪あんさんぶる治療院 院長/鍼灸師)

東洋鍼灸専門学校を卒業後、ネパールでの鍼灸ボランティアを経て、2011年1月に杉並区南荻窪で開業。これまでの施術数はのべ約30,000名(2019年12月時点)。中医学の専門誌『中医臨床』に症例検討を複数回寄稿しています。院長紹介はこちら

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