寝違えとヘルニアの違い|2週間治らない寝違えは、寝違えではありません

朝起きたら首が回らない。上を向けない、振り向けない。いわゆる寝違えです。

多くの場合は数日で治まります。ところが「1週間以上治らない」「2週間経っても痛い」という方がいらっしゃいます。この場合、そもそも寝違えではない可能性を考えたほうがいいです。

寝違えと頸椎椎間板ヘルニアの比較表。治るまでの日数、腕や手のしびれの有無、上を向いたときの変化、力の入りにくさ、対応の違い。
しびれ・脱力があれば寝違えではありません

寝違えは何日で治るのか

寝違えは、首まわりの筋や関節包に急な炎症が起きた状態と考えられています。

痛みのピークは当日から翌日で、そこから徐々に軽くなり、おおむね3日から1週間で日常生活に支障がない程度まで戻るのが一般的です。長くても2週間以内には落ち着きます。

逆に言えば、2週間経っても改善の方向に向かっていないなら、単純な寝違えとして扱わないほうがよいということです。

頸椎ヘルニアを疑う3つのサイン

寝違えと頸椎椎間板ヘルニアを分ける目印は、次の3つです。

1. 腕や手にしびれがあるか

寝違えの痛みは、首から肩、肩甲骨のあたりまでです。肘から先、とくに指先までしびれが届いているなら、神経が圧迫されている可能性を考えます。どの指がしびれるかで、どの高さの神経かがおおよそ分かります。

2. 上を向くと腕のしびれが強くなるか

首を後ろに倒し、痛む側にひねると、神経の通り道が狭くなります。この動きで腕のしびれが強くなるなら、首の神経が関係している可能性が高いです。

3. 力が入らないか

物を落とすようになった、ペットボトルの蓋が開けにくい、腕が上がりにくい。痛みではなく力が入らないという訴えは、しびれよりも重い状態です。

このうち、力が入らない・箸が使いにくい・字が書きにくい、あるいは足がもつれる・歩きにくいといった症状があれば、その日のうちに整形外科を受診してください。首の脊髄の問題が疑われます。

発熱を伴う首の痛みは別物です

首が動かないうえに発熱がある、首を前に曲げると激しく痛む。この組み合わせは髄膜炎などを疑う必要があり、寝違えとは別に考えます。すぐに受診してください。

寝違えを繰り返すなら、原因は枕ではないかもしれません

「枕が合っていないんでしょうか」とよく聞かれます。もちろん関係はありますが、枕を変えても繰り返す方は多いです。

寝違えを繰り返す方に共通しているのは、日中の首の使い方です。デスクワークで頭が前に出た姿勢が続くと、後頭部から首の付け根の筋は一日中緊張したままになります。すでに限界近くまで張っている筋が、寝ている間のわずかな無理で耐えられなくなる。これが繰り返しの正体だと当院では考えています。

つまり、寝ている間に起きた出来事ではなく、起きている間に積み上げた条件の問題です。枕を変える前に、日中の頭の位置を見直したほうが早いことがあります。

当院での対応

急性期の寝違えは、痛い場所を強く押しません。炎症が起きているところを刺激しても悪化するだけだからです。首から離れた場所、肩甲骨や胸郭、背中側からアプローチして、首にかかっている負担を減らしていきます。

しびれや力の入りにくさがある方は、まず整形外科での検査をおすすめしたうえで、並行してできることをご提案しています。

首・肩・背中でお困りの方の経過はこちらのページ、手足のしびれについてはこちらのページにまとめています。

荻窪あんさんぶる治療院より

「そのうち治る」で放置した結果、慢性化してしまう方を何人も見てきました。1週間を過ぎたら一度ご相談ください。

荻窪駅から徒歩4分、土日祝日も診療しています。ご予約・ご相談はこちらから、お電話は 050-5577-0244 へどうぞ。

この記事を書いた人

古田諭志(荻窪あんさんぶる治療院 院長/鍼灸師)

東洋鍼灸専門学校を卒業後、ネパールでの鍼灸ボランティアを経て、2011年1月に杉並区南荻窪で開業。これまでの施術数はのべ約30,000名(2019年12月時点)。中医学の専門誌『中医臨床』に症例検討を複数回寄稿しています。院長紹介はこちら

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