整体師なら知っておきたい身体に影響する物理現象【コマの原理】

今回は整体師としてのキャリアをスタートしたばかりや5年目くらいの整体師に向けたお話です。

今日はちょっとした物理学の話をしようと思います。整体の世界では、筋膜リリースやもみほぐしが日常茶飯事ですよね。でも、解剖学だけでなく、物理学の知識も、私たちの仕事にはとても重要なんです。

地球上では、コリオリの力というものが働いています。これは、地球の自転によって生じる力で、気象現象などに影響を与えるんですね。そして、地球上で起こる現象は、私たちの身体にも当然影響を及ぼします。例えば、前屈が硬い人に対して、コマの原理を応用することで、より楽に柔軟性を高めることができるのです。

「コマの原理」とは

「コマの原理」とは

「コマの原理」とは、具体的にはどういうことかというと、空中での回転運動やねじれ運動に関する法則性です。これは、ジャイロスコープの運動や、回転しているコマの動きに似ています。コマが回転しているとき、その軸を横から押すと、コマは直角方向に首を振るように動きます。これが、ジャイロ効果と呼ばれる現象です。

「コマの原理」を整体の現場で活かす

整体の現場でこれをどう活用するかというと、例えば、患者さんの身体の一部に回転やねじれの動きを加えることで、別の部位に影響を与え、バランスを整えることができるのです。物理現象を考慮に入れながら治療する整体師はまだ少ないですが、この知識を持っていると、治療の幅が大きく広がります。

残念ながら、物理現象を知らないままの整体師は、時にスピリチュアルな方向に傾倒しがちです。スピリチュアルが悪いわけではありませんが、解剖学や物理学を先に学ぶことで、より科学的なアプローチが可能になります。

「1回の治療でどんな症状でも改善できればいい」と思うかもしれませんが、現実はそう簡単ではありません。患者さんに「この身体のバランスだから治療に時間が必要です」と胸を張って言えるようになるためにも、物理学の知識は非常に役立ちます。

プレセッションやジャイロ効果など、物理学の概念は、私たちの身体にも当てはまります。これらの原理を理解し、治療に応用することで、より効果的なアプローチが可能になるのです。

「コマの原理」と自転車のハンドルさばき

「コマの原理」と自転車のハンドルさばき

さて、コマの原理をもう少し身近な例で考えてみましょう。自転車に乗るときのことを思い出してください。自転車に乗っていて、左方向に曲がろうとするとき、上手な人はまず左側に身体を倒します。すると、自然にハンドルが左方向に向きを変え、その動きに合わせて手を回していきます。これは、自転車の車輪が回転しているために生じるジャイロ効果の一例です。

一方で、自転車にまだ慣れていない人は、左に曲がろうと思うと、上体はそのままで、すぐにハンドルを左に回そうとします。そうすると、自転車は右側に倒れる動きが生じ、目的の方向にうまく曲がれないことがあります。この違いは、自転車の車輪の回転と身体の動きの間の相互作用、つまりジャイロ効果を理解しているかどうかによるものです。

整体の現場でこの原理を応用すると、患者さんの身体の一部に適切な回転やねじれの動きを加えることで、他の部位に影響を与え、より効果的な治療が可能になります。例えば、腰痛の患者さんに対して、腰部ではなく肩や背中の部位に適切な回転を加えることで、腰痛の緩和につながることがあります。

私は物理現象も利用して施術しています

このように、物理学の原理を理解し、それを治療に応用することで、私たち整体師はより科学的で効果的なアプローチを提供できるようになります。スピリチュアルなアプローチもその価値はありますが、まずは解剖学や物理学の基本をしっかりと学び、それを基に患者さん一人ひとりに合った治療を行うことが大切です。

整体師としてのあなたのキャリアにおいて、この物理学の知識が新たな視点をもたらし、より多くの患者さんへの効果的な治療につながることを心から願っています。物理学の世界は奥深く、私たちの仕事にとっても非常に価値のあるものです。これからも学び続け、成長していきましょう。

 

画像引用:コーチのためのトレーニングの科学

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