
朝、顔を洗おうとした瞬間。荷物を持ち上げようとした瞬間。ぎっくり腰は、たいてい何気ない動作で起こります。
そして、そのあと最初の数日をどう過ごすかで、回復までの期間はずいぶん変わります。当院にお越しになる方の中にも、「最初にあれをやらなければ、ここまで長引かなかったのに」というケースが少なくありません。
なお、次の症状を伴う場合は、ぎっくり腰として様子を見ずに整形外科を受診してください。
- 尿が出ない・漏れる、お尻まわりの感覚がなくなった
- 両足がしびれる、足に力が入らない
- 転倒や尻もちの直後に激痛が出た(骨折の可能性があります)
- 発熱を伴う、じっとしていてもズキズキと痛みが強くなる

1. いきなり温めること
これが最も多い間違いです。「腰が痛い=温める」と反射的に考えて、その日のうちにお風呂でしっかり温めてしまう。
ぎっくり腰の直後は、組織に急性の炎症が起きている状態です。この時期に温めると血流が増え、炎症の反応がさらに強くなって、翌朝もっと動けなくなることがあります。
痛めた当日から2〜3日、じっとしていてもズキズキする時期は、温めるより冷やす方向です。この時期の入浴は、湯船に長く浸からずシャワーで短く済ませたほうが無難です。
逆に、数日たって「ズキズキ」が「重だるい」に変わってきたら、そこからは温めてよい時期です。判断に迷ったら、お風呂で楽になるかどうかを目安にしてください。
2. 揉む・押す・ストレッチする
痛いところを揉んでほぐそうとする方がいますが、急性期にこれをやると炎症が広がります。
同じ理由で、ストレッチもこの時期は避けてください。「固まらないように伸ばさなきゃ」という気持ちは分かりますが、傷んでいる組織を引っ張ることになります。伸ばすのは、痛みのピークを越えてからです。
3. コルセットを長期間つけっぱなしにする
痛みが強い数日間、コルセットで支えるのは有効です。動くときの怖さも減ります。
ただし、これを何週間もつけ続けると、体幹の筋が働かないまま過ごすことになります。外した瞬間に支えがなくなり、再発しやすい状態が残ってしまいます。痛みが落ち着いてきたら、少しずつ外す時間を増やしてください。
4. 完全に寝たきりで過ごすこと
かつては「ぎっくり腰は安静第一」と言われていましたが、現在は考え方が変わっています。痛みで動けない最初の1〜2日を除けば、痛みの出ない範囲で日常の動作を続けたほうが回復が早いとされています。
一日中横になっていると筋が固まり、血流も落ちます。トイレに行く、家の中を歩く、といった最低限の動きは止めないでください。ただし「痛みの出ない範囲で」です。無理をして動き回るのとは違います。
5. 「クセになるから」と放置すること
ぎっくり腰は、たいてい1〜2週間で強い痛みが引きます。だから「時間が経てば治る」と考えて、そのままにする方が多いです。
ただ、痛みが引いたことと、原因が解決したことは別です。ぎっくり腰を繰り返す方の多くは、股関節や胸椎の動きが乏しく、その分を腰椎が肩代わりし続けています。腰が無理をさせられている構図が残っている限り、また同じことが起こります。
「クセになる」のではなく、クセになる条件がそのまま残っている、というほうが実態に近いと当院では考えています。
当院での対応
急性期には、痛みが強い場所を直接触ることはしません。まず炎症を落ち着かせ、腰以外の場所から負担を減らしていきます。痛みが引いてからは、腰に肩代わりさせている場所を探して、そこを動くようにしていきます。
実際に来院された方の経過はぎっくり腰の口コミ・感想にまとめています。通院の目安は通院のペースをご覧ください。
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荻窪あんさんぶる治療院より
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この記事を書いた人
古田諭志(荻窪あんさんぶる治療院 院長/鍼灸師)
東洋鍼灸専門学校を卒業後、ネパールでの鍼灸ボランティアを経て、2011年1月に杉並区南荻窪で開業。これまでの施術数はのべ約30,000名(2019年12月時点)。中医学の専門誌『中医臨床』に症例検討を複数回寄稿しています。院長紹介はこちら




