ぎっくり背中とは(振り返ると背中が痛い)治し方・原因・症状・寝方姿勢を鍼灸師が伝授

一瞬ピキッと痛んで息苦しい……そして突然の背中への激痛。

痛くなると一瞬何が起こったかわからないのがぎっくり背中です。

「ぎっくり腰は聞いたことあるけどぎっくり背中って何?」だったり、今まさにぎっくり背中になりスマホで検索したりする人もいるでしょう。

自分でできる治療法を先に読むならこちらをクリック

ぎっくり腰は魔女の一撃とヨーロッパでは呼ばれているそうですが、ぎっくり背中も同じように魔女の一撃をくらっていると思います。

今回は、ぎっくり背中の症状や自分でできる治療法。来院された患者さんの症状を踏まえてお伝えします。

そもそもぎっくり背中とは

ぎっくり背中には正式な病名(傷病名)はありません。軽い肉離れと思われる症状がほとんどなので、挫傷(ざしょう)になるでしょう。

いずれにせよ筋肉が傷んでいるのは間違いありません。

  • 腰であればぎっくり腰
  • 首であれば寝違え
  • 背中の場合ぎっくり背中

と呼ばれる症状になっているでしょう。

ぎっくり背中の症状

  • 背中に急激な激痛が走る
  • 背部の筋肉や筋がつった感じになる
  • ある決まった角度にすると背中に激痛が走る
  • 大きく呼吸をすると背中に痛みが走る

ほとんどの患者さんに共通するのが、急に背中に激痛が走り、呼吸や姿勢を変えるのが辛くなります。

症状としては、軽いものから重いものまであります。

お医者さん的に言うと、「軽い肉離れのような症状となります。」(肉離れとは筋肉を作る筋線維や筋肉を包んでいる筋膜が何かの原因によって断裂する(微細断裂)が起きることが原因です。)

また他の患者さんでは何もしていない時に少し大きな呼吸をして、なんとなく強く背中に違和感を覚えて、そのままにしているとだんだん痛くなってきたと言う人もいます。

ぎっくり背中は急性症状なので、1週間ぐらいしても違和感がなくならない等は、ぎっくり背中の慢性症状と言っても良いでしょう。

ただし痛みが全く変わらないなどは、内臓からの痛みの可能性もあるので早めに内科を受診してください。

来院された患者さんの話

あんさんぶる治療院に来院された患者さんは、朝起きたときの日課のストレッチをしていた時に左の背中から肩甲骨あたりにピキッと言う痛みが走ったそうです。

その後、気にせず普通に電車に乗って仕事にも行ったそうですが、会社に着いた頃には左腕が痛くて、右手で腕を支えないと辛く、しびれているような感じもあったそうです。

痛みはおさまることもなく、パソコンを打つ姿勢がかなり辛く、呼吸をすると痛みもありました。

その当日の夕方に治療にいらっしゃいました。

来院された時は背中の痛みはもちろん痛みで首を動かすことをあまりできず、腕はなんとなくしびれている感じだったそうです。

右を向いていると痛みが軽減しているような感じがしていたそうです。

治療は、右ねじれを補正して、左に向きやすくすると同時に、左首からの神経の流れをよくし、違和感が残る箇所に小さなシールタイプの鍼を貼って喜ばれて帰っていきました。

ぎっくり背中になる原因は?

一般的なぎっくり腰と同じように、デスクワークやゲームなどで同じように座り続けることや、猫背が原因のことがほとんどです。

同じ姿勢を続けると、背中の筋肉は冷えて固くなり、怪我をしやすい状態になります。その結果、急に姿勢を変えたり、ちょっとした動作+呼吸のタイミングによって、ぎっくり背中になってしまうのです。

同じ姿勢でいると体が歪んだ状態になっていることも多く、筋肉が常に負担を抱え、疲れてしまい痛みを出してしまいます。

後は反動をつけてやってしまう自己流のストレッチなどによって痛めてしまう人もいます。硬くなった背中の筋肉を反動をつけたりして無理矢理伸ばそうとするとぎっくり背中になってしまうこともあります。

猫背や不良姿勢

猫背や不良姿勢になっているとお腹や胸側は筋肉が縮んでおり、背中側の筋肉は引き延ばされています。

ストレッチをすればわかりますが、筋は伸ばされていると痛みを感じてしまいます。ストレッチだったら10秒や20秒ぐらいなら筋が伸びていた気持ちいいはずですが、5分も10分もやっていると痛くなります。理屈的にはそれと同じです。

慢性的な場合、長時間ずっと筋が伸ばされたままなので、ちょっとした反動でも傷んでしまいます。

ストレッチだったら10秒や20秒ぐらいなら筋が伸びていた気持ちいいはずですが、5分も10分もやっていると痛くなります。理屈的には全て同じです。

姿勢的なものの場合、長時間ずっと筋が伸ばされたままなのでちょっとした反動でも傷んでしまいます。

重いものを持ち上げる

ぎっくり腰でよく聞く、重いものを持ち上げたときに痛みが走る。これはぎっくり背中でも同じです。

姿勢や持ち上げるものの重さ、持ち上げるときの角度によって腰ではなく背中を痛めることもあります。なぜなら背中の筋肉は首の付け根から腰まで同じものなので、どこを傷めてもおかしくありません。

自分でできるぎっくり背中の治療法

背中に緊張が走らない姿勢=横になっておくのが必要です。

とにかく背筋に力が入らないようにするのが重要です。

背中の筋肉はリハビリテーションの世界だと姿勢保持筋だったり、抗重力筋と呼ばれたりします。

まずは安静にする

体がねじれているのでぎっくり背中の場合は、逆らわずに捻りやすい方に向いていると体全体的に負担が少なくなります。

とにかく横になりましょう。右を下にして横になる方が楽な人。左を下にして楽になる人。うつぶせが楽な人。それぞれ違っています。


テスト法

あなたがどの姿勢が楽なのかは、首だけでもいいので右を向いたり、左を向いたりしてどっちの方が痛みが少なく振り向けるのか確認してください。

体の歪みがもともと大きい人ほど、左右への振り向きの違いが大きく出ます。

 

ぎっくり背中は冷やすのか温めるのか

急性症状がほとんどなのでぎっくり背中は冷やす方が間違いが少ないでしょう。

できれば痛む箇所に熱があるかどうか触って確認できれば良いのですが、痛みが出てる時は自分でそんなことできるわけないですよね。

だから迷ったときは保冷剤で冷やすか、茶色いシップ(モーラステープやロキソニンテープと呼ばれるもの)が良いでしょう。

冷やすことで鎮痛作用が生まれます。

ラグビー選手やサッカー選手が、試合中に痛めた箇所をコールドスプレーで冷やすのは鎮痛をかけているからです。

湿布を貼る時も絶対無理をしないでくださいね。

 

どんな姿勢で過ごす?寝るときの姿勢は?

安静にすると言う所でもお伝えしましたが人の体は左右へのねじれが出てきます。

  • 右に振り向きやすい場合は右を下にして横になる
  • 左に振り向きやすい場合は左を下にして横になる
  • どちらを向いても痛い場合はうつぶせになって眠るか、必ず膝を曲げた状態で仰向けになる方が良いでしょう。

楽な姿勢をまずみつけましょう

 

ぎっくり背中の予防法

腕立てふせ

痛みがある時は無理やらないでください。

壁を使った腕立て伏せの動きがオススメ!

指先は必ず内側に向けて、肩甲骨が背骨に寄る感覚を味わいながら3,4回おこなってください。

肩甲骨の動きがスムーズになってきます。

背中の筋肉は姿勢を保つために常日頃使われていると思ってください。

背中の筋肉の疲労を取るには負担をかけないのが1番なので、徹夜で仕事をしたり睡眠不足の人はその間、背中にはストレスがかかっていると思ってください。

背中の筋肉を休ますことをして、あとは体操などをして普段の使い方とは違う背中の筋肉の使い方を意識しましょう。

ぎっくり背中は病院や鍼灸院で治療したほうがいい?

ぎっくり背中は急性症状なので、筋肉の炎症が治まる72時間(3日間)位は安静にするのが良いでしょう。

ただし仕事で3日も休めないと言う人もたくさんいると思います。そういう場合は病院でロキソニン(痛み止め)や湿布をもらうのも良いでしょう。

鍼灸治療も鎮痛をきかすことができるので私の経験からだと有効でしょう。

ただし、湿布やロキソニン(痛み止め)にしても、鍼灸にしても鎮痛なので痛みがなくなったわけではありません。しばらくは無理をしない方が良いでしょう。

 

ぎっくり背中とぎっくり腰の違いは?

痛みの傾向は場所が違うだけで、ほとんど一緒。だから対処法もだいたい同じです。

ぎっくり背中の場合は、ほとんどが筋肉の繊維が傷むことによって起こっています。症状が急激で激痛なので考えにくいのですが、そこまで激痛ではなく安静にしていても痛む場合などは内臓からの痛みの可能性もあります。

ぎっくり腰の場合も、ほとんど筋肉が傷むことによって起こる筋筋膜性腰痛と呼ばれるものが多いです。腰の場合は、腰椎の椎間関節性捻挫と言う場合もあります。

なかには、もともと腰椎のヘルニアを持っている人などもいます。

ぎっくり腰も急性の痛みなので動くことができないほどの激痛です。ただずっと安静にしていても激痛では無いけど腰が痛む場合などは内臓からの痛みである可能性はあります。

ぎっくり背中もぎっくり腰も3日4日しても症状が全く変わらないようであれば病院を受診した方が良いでしょう。

まとめ

ぎっくり背中は、日頃の運動不足になりがちな人に多い印象です。意外と背中って動かしていません。

背中は姿勢を保持するために、立っている・座っているときは常に緊張状態にあります。徹夜などをして背中がバキバキになりやすい人は要注意! ゆっくりお風呂に入って日頃と違う動きを意識できれば予防にもつながりますよ。

おすすめの記事