整体は医療費控除になる?
先に結論から言いますと、残念ながら整体は医療費控除の対象とはなりません。
「えっ?知り合いは控除できると言ってたのに……」などと聞いたことがあるかもしれません。しかし、それは整骨院と整体院を混同している可能性がかなり高いです。実際、法律上でも別物として扱われています。いかんせん名前も仕事内容もよく似ているため、とくに整体院へ行ったことがなければ混同してしまうのも無理はありません……。
そこで当記事では整骨院との違いも含めつつ、整体が控除対象から外れてしまう理由をご紹介していきます!
医療費控除の対象は限られている
医療費控除の対象については、以下のように法律でも明文化されています。
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価(ただし、疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません。)
ここで挙げられているあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師はすべて国家資格であり、それぞれ鍼灸マッサージ院や整骨院を開業するためには必要不可欠なものとなっています。
一方、整体・カイロプラクティック・リフレクソロジーといった整体施術に関する資格は、すべて民間で認定されたものに過ぎません。もっと言えば、整体院は無資格でも開業することが可能です。国家資格として認められていない以上、整体師による施術は医療行為にあたる「治療」ではないため、医療費控除の対象にはなりません。
つまり、国家資格者による施術を受けたという事実が医療費控除の大前提となるのです。
治療目的じゃないと対象外
医療費控除を申請するうえでもうひとつ重要なこと……それは施術が「治療」を目的としていたかどうかです。
そもそも治療とは「病気やケガを治したり、軽快にさせる行為」を指していますが、解釈の仕方は人によってかなり異なります。しかし、法律上ではそうもいかないため、先ほどご紹介した法文のようにしっかり定義されているのです。
ただし、疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません。
これを踏まえると、次のような施術は治療目的とは言えないということになります。
- 日頃の疲れをとるためのマッサージ
- 身体のバランスを改善する整体
- 美容を目的とした部位矯正
これらは医療行為として扱われないため、たとえ整骨院で施術を受けたとしても医療費控除の対象にはならないのです。最近は整体でおこなうようなメニューを取り入れている整骨院も多いため、自分の受ける施術が治療にあたるかどうか確認しておくのがベストです。
確実に医療費控除にするなら国家資格者がおこなう治療
ここまでの内容をまとめると、医療費控除を申請するためには以下の条件をすべて満たす必要があるということになります。
- 国家資格者による施術を受けたこと
- 施術内容が治療を目的とした行為であること
2に関しては素人目で判断するのが難しい部分もあります。しかし、1に関しては誰でもわかることです。医療費控除を確実に申請したいのならば、まず通院先の先生が国家資格者かどうか調べてみましょう。
まとめ
冒頭でお伝えしたように整体は医療費控除の対象になりません。さらに覚えておきたいことは「保険適用」の有無は関係しないということです。
知識があるかたでも、
- 整骨院は保険が使えるから控除あり
- 整体院は保険が使えないから控除なし
と勘違いしているかたもいます。
法文にはそのようなことが一切書かれていません。しかも、実際に保険適用外で控除できたというケースもあります。
少しややこしい点もある医療費控除ですが、キャッシュバックを考えれば多少の手間がかかっても申請する価値はあります。ぜひ有効に活用してくださいね!