調身・調息・調心(ちょうしん・ちょうそく・ちょうしん)
座禅をはじめとして、東洋の行法ではこの3つを基本としています。
身体をととのえ
呼吸をととのえ
こころをととのえる
この3つを整えることで、心身の健康を実感できます。
生まれた瞬間から無意識にやっている呼吸ですが、意識的にやってみませんか?
気功や瞑想、ヨガや太極拳なども呼吸が重要だと思います。
腹息と胸息
赤ちゃんは腹息であるのに、加齢とともに胸息になってしまったり、寝ている時は腹息なのに、日中は胸息になったり、緊張すると胸息、リラックスすると腹息になりやすい。
女性は胸息しやすいとか、吐く・吸うだけでも状態によって違ってきます。
呼吸法といえば昔から丹田呼吸=腹息が尊重されています。
丹田呼吸は横隔膜(焼き肉でいうハラミです。)を使った呼吸だといわれています。
科学的な根拠があるのかは不明ですが、調心・調身を考えると、胸息は緊張しやすく、腹息はリラックスしやすいです。
呼息と吸息
呼吸法において、呼息がいいとされています。
吸息だと活気をもたらしますが緊張してしまいます。
呼息だとリラックスと鎮静をもたらします。
生理学的には
吸息は交感神経支配(戦うときの神経、高揚した状態)
呼息は副交感神経支配(睡眠時、リラックス状態)
深呼吸をするときは、呼気をしっかりできれば吸気は自然にできるので、意識しなくてもだいじょうぶなはずです。
しっかり息を吐き出しましょう。
長息と短息
長息のように、長くやさしく呼気をすることで、精神的な鎮静効果をもつといわれています。
短息のように、一気に強く呼気をすることで、瞬発的な力が発揮されるといわれています。
気力が充実した状態だとかめはめ波もできるかもしれません。
開息と閉息
開息とは息を止めない。
とくに呼気において、吐き切ったところで吸気に変わるのですが、その間は止めること無く開いたままにしておきます。
呼気における場合、リラックスと静寂がこころに効くと思います。長息でなおかつ細くゆっくりするとその効果は大きくなります。
閉息とは息を止める。
閉息は一度止めるので、緊張を生みますが、解除したときには普通以上にリラックス感を得ることができます。
その他にも分類はできると思いますが、ヨガや気功などその他の呼吸に関連するものは、上記のことをうまく利用しています。
簡単な呼吸法:1
アリゾナ州立大学のアンドルー・ワイル博士提唱の呼吸法です。ヨガと佛教の数息観を土台にして考案したものです。
- ゆったりと座り、まず背すじを伸ばして(背筋で伸ばすのでは無く、お腹側から伸ばす)上半身のちからを抜いてリラックス。
- 「1つ、2つ、3つ、4つ」と息を吸う
- 「1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ」と息を止めて、気が全身にいきわたるのを待つ。
- 「1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ」で息を吐き出します。
つまり、呼気に吸気の二倍の時間をかけることと、気が全身に巡る間をとるのが特徴のようです。
吸気は鼻から、呼気は口からおこないましょう。
難しかったり、時間が無い方もいると思います。
簡単な呼吸法:2 もっとも基本的なことですが。。すごく重要
例えば立ったままで、正面向いて呼吸をするのと、少し右or少し左向いた方が呼吸が楽にできませんか?
からだの緊張も溶ける感じがすると思います。
良い姿勢は身体に良くない場合がたくさんあります。
人の動き(モノはすべて)3つの動きで構成されています。
・前後の傾き
・左右の傾き
・左右のねじれ
呼吸に関しても、
前かがみor少し上を向く(反る)動作どちらが楽なのか
首や身体を左に傾けるor右に傾ける動作どちらが楽なのか
首や身体を左にねじるor右にねじる動作どちらが楽なのか
この3つの動きを合成すると一番楽なはずです。
楽な姿勢は「機能姿勢」といって、身体の緊張や痛み、こころの問題まで解決してくれると思います。
人類史上、最もカンタンな“健康法” 「機能姿勢」に気づく本 たった数ミリ動くだけで楽になり、見える世界が変わる!
日々、患者さんには「楽な姿勢」と言っています。猫背だっていいじゃない!